「深まり」が増加に(映連統計の発表をうけて)

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(この記事は2016年1月29日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載されたものです)
【シネマの週末・データで読解:週末興行成績(23、24日)】毎日新聞 2016年1月29日

1. (ー) 信長協奏曲
(1週目)
2. (1) スター・ウォーズ/フォースの覚醒
(6週目)
3. (ー) 手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャーTHEMOVIE忍者・イン・ワンダーランド
(1週目)
4. (2) 映画妖怪ウォッチエンマ大王と5つの物語だニャン!
(6週目)
5. (3) パディントン
(2週目)
6. (5) シーズンズ2万年の地球旅行
(2週目)
7. (4) orange−オレンジ−
(7週目)
8. (ー) ザ・ウォーク
(1週目)
9. (6) 傷物語<I鉄血篇>
(3週目)
10.(8) ブリッジ・オブ・スパイ
(3週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ

「深まり」が増加に

映画製作者連盟が発表した2015年の全国映画概況によると、同年の年間総興行収入は2171億円で前年比プラス約5%、延べ入場者数も1億6663万人で前年比3.4%増となった。
15~69歳男女への全国アンケート結果を見ると、15年に「映画館で映画を1本以上見た人」(映画参加者人口)は、前年より減っている。男性はほぼ変わらないものの、女性が下がった。14年は「アナと雪の女王」が女性客を強く引きつけた。その反動であろう。さらに15年は、「ジュラシック・ワールド」や、映連統計の興収総計に含まれていないものの「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のような、男の子が楽しめる映画が大ヒットしたことも影響しているだろう。
(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

(C)Universal Pictures and Amblin Entertainment

一方、映画参加者の年間鑑賞本数は微増だった。これは、「普段見ない人」も動員する「アナ雪」のような社会現象的ヒットはなかった代わりに、興収20億〜90億円の大ヒットが多かったことが影響し、「普段見る人」が繰り返し映画館に足を運んだためとみられる。
15年は前年と比べると、参加率の上昇という映画鑑賞行動のすそ野の「広がり」より、参加者の鑑賞本数が増加する「深まり」によって、動員数と総興収が増加したと言えそうだ。

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

◆掲載元◆
毎日新聞: シネマの週末・データで読解 「「深まり」が増加に」 (毎日新聞2016年1月29日 東京夕刊)

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