GW映画興行後半戦・各作品の「競合状況」


 大きな興行収入目標を掲げる作品がモニタリングすべき重要な指標の一つに、その中で一番見たい作品として選ばれている度合いを示す「ファースト・チョイス」がある。

 ゴールデンウィークも後半に入るが、引き続き多くの人にとって目移りするラインナップで、まさに「ファーストチョイス」が気になるところ。

 弊社では、この「ファーストチョイス」とともに、「本作への鑑賞意向はあるのにファーストチョイスとして選ばなかった人は、どの作品をファーストチョイスとして選んでいるのか」という、いわば「ファーストチョイスの競合状況」を分析・レポートしている。

 ここでは、活況を呈している興行のランキング上位作品と今週末公開作品につき、「ファーストチョイスの競合状況」を整理した。

◆ランキング上位・今週末公開作品の競合状況◆

 以下の図は、先週末時点でそれぞれの作品に鑑賞意向があると回答した人を100とし、その人たちが「一番見たい作品」として選んだ回答の割合を集計したものである。
(4月26日・27日実査のインターネットアンケート(3291サンプル)の結果を集計したもの)

 オレンジ色の「本作」は、その作品を一番に選んだ割合で、他の作品はそれぞれ色分けしてある。

 例えば、『テルマエ・ロマエⅡ』を「劇場で見る」と答えた人の中で、『テルマエ・ロマエⅡ』が一番見たい、あるいはそもそも『テルマエ・ロマエⅡ』しか「劇場で見る」と選んでいない人の割合は64%である。一方で、『テルマエ・ロマエⅡ』を「見る」と答えつつも、「一番見たいのは『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』」と答えた人の割合は11%である。

◆公開中の大作では「テルマエⅡ」が多くの作品にとってライバル◆

 こうしてみると、「相棒 -劇場版III-」「コナン」は、意欲者の中でファーストチョイスとして選ばれる割合が高く、シリーズファンがいることが伺える。

 また、市場を席巻中の「アナ雪」はさほど他作品から意欲者を奪っているわけではない。「意欲者」の中には「すでに見た」が「もう一度見る」というリピーターは入っていないので留意が必要だが、むしろ「テルマエⅡ」のほうがこのラインナップと競合している度合いは強い。

◆今週末公開作品は棲み分けがなされていそう◆

 今週末公開映画では、『ネイチャー』『悪夢ちゃん The 夢ovie』は先週末時点では、互いにほとんど競合関係にない(それぞれの作品の意欲者が互いを「ファーストチョイス」として選んでいない)。 

 本アンケートは15歳~69歳が対象なので小中学生の意欲度は反映されないので、キッズ市場の中での意欲の動きも気になるところ。また「悪夢ちゃん」は公開前日にスペシャルドラマの放映があり、『ネイチャー』も宣伝露出量が増えている中、それぞれの作品の意欲層がどう変化していくのか注目される。

 『ネイチャー』は先週末時点で同時期の『ライフ -いのちをつなぐ物語-』と同程度まで意欲度が伸びてきた。『悪夢ちゃん The 夢ovie』は意欲者の中でファーストチョイスとして選ばれている割合が低い一方で、このラインナップ以外の公開が先の作品を一番に選ぶ割合が高いので、この点はゴールデンウィーク興行ではプラスかもしれない。(「その他」の内訳は『X-MEN:フューチャー&パスト』『忍ジャニ参上!未来への戦い』『マレフィセント』『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』『好きっていいなよ。』など)

◆◆◆

 このように競合状況の分析も興味が尽きない。
 一方で、ゴールデンウィーク後半戦は全国的に天気が良いようで、ゴールデンウィークの旅行者は前年比減でも過去3番目となりそうというJTBの発表もある。
 ”真の競合”はほかのレジャーなのであろうが、「ファーストチョイス」だけといわず、セカンドもサードも見て映画館もさらに活況となってほしい。

〇関連映画一覧〇
『ネイチャー』
『悪夢ちゃん The 夢ovie』
『テルマエ・ロマエII』
『相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』
『アメイジング・スパイダーマン2』
『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』
『アナと雪の女王』
『X-MEN:フューチャー&パスト』
『忍ジャニ参上!未来への戦い』
『マレフィセント』
『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』
『好きっていいなよ。』

『ネイチャー』2014年5月2日公開(c)BBC Earth Productions (Africa) Limited and Reliance Prodco EK LLC 2014
『悪夢ちゃん The 夢ovie』2014年5月3日全国東宝系ロードショー(C)2014 「悪夢ちゃん The 夢ovie」製作委員会

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