「悪の法則」の分析の法則

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(執筆:梅津文)

 今週末公開映画の中からマイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアスらが出演するリドリー・スコット監督作品「悪の法則」をとりあげる。
 公開規模やジャンルを加味すると公開一週前(先週末時点)まで4週間平均でみると公開週末土日2日間0.8~1.3億スタートペース、先週末時点の数字だけでみると0.8~1.4億のペースである。ここまでの動きは、原作・前作などのベース認知のない中で劇場予告編展開を中心とした宣伝展開で年間12本以上見る鑑賞頻度の高いヘビー層の意欲が上昇。また、1週前までのテレビCM投下もあって認知も伸びている。
 「1週前時点で公開週末土日2日間で0.8~1.4億」というのは、1週前時点から公開週末までに認知・意欲が過去作品と同様な動きをすればそうなる見込みであるという意味である。
 過去作品の平均的な動きよりも認知・意欲の伸びが鈍ければ結果は上記の数字を下回る可能性が高いが、より力強く数値が伸びれば上回る可能性が高い。実際に公開週末土日0.8〰1.3億を迎えるということは、(公開週までに比較対象の過去作品の動きと同様に)意欲が0.5~0.6ポイント、認知が8~10ポイント伸びる前提である。一方、意欲が2~3ポイント、認知が15~20ポイント伸びれば公開週末土日二日間2.0億円レベルである。逆に数字が動かなければ0.6億~レベルである。
 本作は認知が低めだが、裏を返せば伸びしろもあるという言い方もできるし、本作は認知している人の中の意欲度も高め。前週に「清須会議」が大ヒットスタートを切り、翌週には「かぐや姫の物語」の公開が控えていて邦画宣伝・興行が盛り上がっているが、「悪の法則」はテイストも訴求層も差別化しヒットスタートすることに期待がかかる。


「悪の法則」2013年11月15日 公開(C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation

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