今週末、スタジオジブリ・高畑勲監督による「かぐや姫の物語」が公開される。本作の意欲度の性年代別の分布は幅広く、シリーズもの・民放ドラマ原作を除く東宝邦画作品と比較すると3.3~4.1億ペースで推移しているが、ジブリはそれ自体でジャンルといえる特殊な要素があるのでここでは過去作品と比較しながら考える。
近年の過去のジブリ作品(「借りぐらしのアリエッティ」/米林宏昌監督、「コクリコ坂から」/宮崎吾朗監督、「風立ちぬ」/宮崎駿監督)と一週前の意欲の数値を比較すると、「借りぐらしのアリエッティ」(公開週末土日興行収入9.0億、最終興行収入92.5億)>「風立ちぬ」(同9.6億、118億~)>「コクリコ坂から」(同3.9億、44.6億)>「かぐや姫の物語」の順である。認知率は、ほぼ同レベル。
「風立ちぬ」のほうが「借りぐらしのアリエッティ」より意欲率が低いにもかかわらず興行結果が高かったのは「宮崎駿ブランド」あるいは「最後の作品かもしれない」という雰囲気によって意欲から実際の動員までの歩留まりが高かったことが伺える。
公開週の意欲率を比較すると同じく過去作品の順番は「借りぐらしのアリエッティ」>「風立ちぬ」>「コクリコ坂から」の順だが、「コクリコ坂から」は公開一週前から公開週にかけて数値が下落するというあまり例のない動きを見せた。「かぐや姫の物語」が順当に数字を伸ばせば公開週の数値は「コクリコ坂から」の意欲率を上回る可能性が高い。
ただし、本作が過去のジブリ作品と違う要素として、タイトルに「かぐや姫の物語」という浸透度の高いコンテンツ関連文言が含まれていることがある。こういうタイトルは浸透しやすく、また、実際の映画の詳細を知らない人も「見たい」と答える度合が高くなりやすい。その結果、事前の意欲度に対して興行収入が低い結果になることがある。その度合いはタイトルによってことなるが極端に出る場合は単純に意欲等の数値から推測される興行収入の30%程度の結果になることもある。
これを踏まえると、「コクリコ坂から」の3.9億には追い付く勢いで意欲を伸ばすことが想定されるが、もう一つのマイナスの不確実要素であるタイトル効果がどの程度影響するのか次第ということができる。
「かぐや姫の物語」2013年11月23日公開 (C)2013 畑事務所・GNDHDDTK