1月31日付のコラムでは映画鑑賞経験の「深さ」という観点で、映画館で見たと答えた人がその作品のパンフレットを購入したのかどうかなどを、2013年末実施のアンケートをもとに分析した。

今回はそれぞれの作品の鑑賞者の「評価」について考えたい。

アンケート概要：
2013年12月28日から2014年1月1日実査、全国に住む15歳から69歳男女のうち過去一年間に映画を一本以上見た人に対するインターネットアンケート。
サンプル数は、4507
調査対象作品は、2012年12月から2013年12月までの間に公開され、最終興行収入3億以上（見込み含む）の全128作品

 

◆「不満」は少数派◆

下記の図は個々の作品を見た人を100%としたとき、横軸に「満足した」と答えた割合、縦軸に「不満だった」と答えた割合にとってプロットしたものである。

例えば、一番右にあるのは『劇場版銀魂　完結篇　万事屋よ永遠なれ』であるが、この作品は鑑賞者が満足した割合（横軸）は82%、不満だった割合（縦軸）は2%である。

こうして見ると、たいてい鑑賞者はその映画に「満足」と答えるのであって、よほどのことがないと「不満」とは答えないことが伺える。

満足した人の割合は平均60%であるのに対して、「不満」と答える割合は平均6%で10分の1である。

映画口コミサイトなどで非常に厳しいコメントを見かけることもあるが、そういった人は多くの場合鑑賞者の中の少数派であるということが推察される。

対象作品128作品の中で「満足した」割合トップ10は以下の通り。
1. 劇場版銀魂　完結篇　万事屋よ永遠なれ
2. 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ ［新編］叛逆の物語
3. ワイルド・スピード EURO MISSION
4. アイアンマン3
5. 真夏の方程式
6. 永遠の０
7. 奇跡のリンゴ
8. ルパン三世 VS 名探偵コナン THE MOVIE
9. 舟を編む
10. Ｇ.Ｉ.ジョー バック2リベンジ

 

◆宣伝には騙されない？でも想定外の喜びはある◆

次に、下記の図は、それぞれの作品鑑賞者が「宣伝に騙されたと感じた」割合を横軸に、「思っていたよりも面白かった」割合を縦軸にとったものである。

まず、「宣伝にだまされた」と答える割合は、平均鑑賞者の2%と低く、そう答える人の割合が0%の作品も数多い。ほとんどの人が、「宣伝にやられた」という思いは持たずに劇場を後にしていることが伺える。

一方、「思っていたよりも面白かった」と答える割合は、もう少し高めで平均15%である。

宣伝する方の中には、鑑賞者が「宣伝にだまされた」と感じつつも、「思っていたよりも、面白かった」というケースが最高と感じる方も多い。『謝罪の王様』など図のプロットされた点にタイトルを入れた作品は、「だまされた」「思ったよりも面白かった」両方の数字が高めのものである。これらの作品は、「いい意味で宣伝にだまされた」人も多い可能性がある。

なお、「思っていたよりも面白かった」と答えた割合が高いトップ10は以下の通り。
1. 映画クレヨンしんちゃん　バカうまっ！ Ｂ級グルメサバイバル！！　
2. グランド・イリュージョン
3. キャプテン・フィリップス
4. シュガー・ラッシュ
5. 劇場版トリコ 美食神の超食宝
6. 劇場版 ペルソナ3/PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth
7. 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ ［新編］叛逆の物語
8. 劇場版銀魂　完結篇　万事屋よ永遠なれ
9. 映画 謎解きはディナーのあとで
10. パシフィック・リム

次回は、評価と広がり、という観点から「思っていたよりも面白かった」、「人に薦められて見た」、「人に薦めた」と回答した割合を分析していく。

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上記で触れた質問以外にも概要をこのコラムで紹介しつつ、詳細集計をレポート・データとして提供していく予定です。

ご興味ある方はこちらまでお願いいたします。

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