先週末は洋画実写映画の『美女と野獣』が大ヒットスタートを切った。
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高めの認知度・意欲度
「美女と野獣」といえば真っ先に思うのはディズニーアニメ・ミュージカルであろう。タイトル・モチーフは広く浸透しており、意欲度や認知度も力強い動きをしていた。
2011年以降に公開された作品と意欲度、認知度だけで比べると、公開週の数字が近いのは『おおかみこどもの雨と雪』『謝罪の王様』『悪の教典』『へルタースケルター』等である。いずれも最終興行収入20億を超えた邦画作品ばかりである。
なお、広く浸透している童話を原作・モチーフとした洋画作品は数も少なく、また、この中で本作と同レベルの数値だった作品はない。公開週の数値の高さは『スノーホワイト』ほどではないが、『白雪姫と鏡の女王』『赤ずきん』よりも高めの数字であった。
性年代別では10代、20代女性に高い意欲度
本作公開時点での意欲度を15歳から69歳の性年代別で見ると、女性15~19歳の10代が最も高い。
2011年以降に公開された10代女性の意欲度が同レベルだった作品には『ホットロード』『僕等がいた』『スノーホワイト』『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』『名探偵コナン 11人目のストライカー』『近キョリ恋愛』『劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇』などがある。
一般的には、女性10代の意欲度の高さで作品を並べると、アニメ映画を含めた邦画が並ぶ。洋画では『アリス・イン・ワンダーランド』『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』『モンスターズ・ユニバーシティ』等のディズニー映画やハリー・ポッターシリーズを除いて、女性10代の意欲度が高くなることは少ない。
ほか、本作は20代と50代女性の意欲度も高めであった。
動きは邦画的?
意欲度、認知度等の数値と公開週末土日の興行収入の関係をみると、洋画作品で用いる計算式よりも、邦画作品で用いる計算式の方がシミュレーション値と実績値は近くなっている。
このように、宣伝トラッキングデータをみていると「洋画」のくくりでは類似作品を見つけにくく、浸透したコンテンツ力を生かした、また、邦画的な動きをしたまれな洋画であったといえる。
◆公式サイト◆
映画『美女と野獣』公式サイト