チーム・バチスタVS白ゆき姫殺人事件 ミステリー対決

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 今週末公開される二つの邦画ミステリー『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』『白ゆき姫殺人事件』について、比較しながらとりあげる。
◆浸透度合いの高い「バチスタ」と伸びしろのある「白ゆき姫」◆
 市場内の浸透度(意欲度、認知度)をそれぞれ類似した過去作品と比べると、先週末時点を含めた過去4週間、両作品とも安定して推移している。
 『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』は、公開週末土日二日間で1.7~2.1億ペース、『白ゆき姫殺人事件』は、1.4~1.7億ペースである。
 小説シリーズが原作の「バチスタ」は、何度も映画化・ドラマ化されている。また、つい最近民放ドラマシリーズが終了したばかりなので、テレビの露出量も多めである。
 一方の「白ゆき姫」は、『告白』の著者、湊かなえの小説を映画化したものだが、本作が初の映像化である。
 こうしたことから、「バチスタ」のほうが意欲度、認知度ともに高めだが、浸透度にまだ伸びしろがある「白ゆき姫」のほうが、意欲度が強く上がる可能性が高いという見方もできる。
◆意欲層は細かくみると異なる◆
 両作品の意欲層の構成比を見ると、男女比は女性の割合のほうが多めではあるが、細かく見ると中心となっている層が異なる。
 「バチスタ」は40-60代、「白ゆき姫」は20代が中心となっている。
 また、鑑賞頻度別でも「バチスタ」は、ライト層が多め。「白ゆき姫」は、ヘビー層が多め(先週末時点での浸透度合いの違いが原因と考えられる)。
 さらに、地域別でも「バチスタ」は、ほぼ地域別人口比と同じ構成だが、「白ゆき姫」は、首都圏が多い構成である。
 このように、同じ全体では女性メインということは共通ながら、細かくは意欲層が異なっている。
◆ライバルは同じ◆
 両作品ともに、本作に鑑賞意欲のある人が“今から一週間以内に見ることにしている”作品として最も多く挙げているのは、9日間で30億円を超える大ヒットだった『アナと雪の女王』である。
 「アナ」は、これまで若い女性がメインだったので、「白ゆき」のほうが影響を受けやすそうではあるが、「バチスタ」も影響を受けるであろう。
 「アナ」は、ライト層の意欲が過去作品と比べて高めであり、映画を超えた現象となっていることが伺える。
 したがって、上への世代へも広がっていくと考えられるので、両作品とも影響を受けるものと見られる。 
 なお、両作品の鑑賞意向を持っている人が、公開がまだ先のものを含めて、最も見たい作品として上げているのは、それぞれの作品以外だと『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』である。しかし、「相棒」は4月26日公開であり、まだ一ヶ月先なので、影響は少ないと見られる。
 「バチスタ」シリーズのファン動員、「白ゆき姫」のエッジの立った訴求力で、両作ともヒットし、さらに興行が盛り上がることに期待がかかる。

『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』
2014年3月29日 全国東宝系公開(C)2014 「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」製作委員会
『白ゆき姫殺人事件』2014年3月29日 全国公開(C)2014「白ゆき姫殺人事件」製作委員会(C)湊かなえ/集英社

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