夏の映画関連テレビ露出について2回にわたり、各年の7月、8月のテレビ番組内露出量とCM量を邦画と洋画に分けて比べてきた。
■夏の映画関連テレビ露出を振り返る(1)
■夏の映画関連テレビ露出を振り返る(2)
邦画の総量をみると、番組内露出量が減少傾向、テレビCMは変化が少ない。洋画も総量で見ると、番組内露出量が減少傾向、テレビCMが大きく減少した。
これまでの構造に変化が生じた2014年夏
特筆すべきことは、2014年夏においてテレビCM量の総量が、邦画と洋画で比べるとほとんど変わらなかったことではないだろうか。
(図:各年7月・8月のテレビ露出量総量(テレビCM))
(夏に限らずだが)テレビCM総量は「ハリウッドメジャーを中心とした洋画は邦画よりも多い」という構造とは異なる結果となっている。
一方の番組内露出量は、「テレビでおなじみの人気俳優・女優がキャスティングされた邦画のほうが洋画よりも多い」ことは変わらないが、その邦画も近年減少傾向にある。つまり、番組内露出は邦画>洋画、CMは邦画<洋画という、これまでの構造に変化が生じているといえる。
また、邦画・洋画、テレビCM・番組内露出量をすべてを足し上げた量としては、7月・8月の二か月間の量は、過去5年間の中で最も少なかった。
これらの変化には出資者・配給元の戦略の変化による部分だけでなく、そもそもの作品ラインナップによるところもあるであろう。来年がどうなるかはまだ未知数だが、2014年はテレビを通じて映画の宣伝にふれる量が最も少ない夏となった。
◆あわせてご覧ください◆
夏の映画関連テレビ露出を振り返る(1)
夏の映画関連テレビ露出を振り返る(2)