2012年回顧(3)宣伝露出量(テレビ・劇場予告編)ランキング

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先のコラムでも 認知率を中心にとりあげましたが、ヒットの要件の一つである認知を上げるにはなんといってもテレビ。
映画の情報入手経路としては、映画鑑賞者にアンケートをとるとテレビCMあるいはテレビ番組を挙げる割合が圧倒的です。並んで劇場予告編という構図が一般的です。ここでは今年のテレビCM、番組内露出、そして劇場予告編の到達度のランキングを扱います。対象作品は、同じく2011年11月末から2012年11月末までに劇場公開された映画です。

公開までのテレビCM露出総量トップ10

弊社では映画作品ごとのキー局での露出時間帯、露出時間、回数をもとに、これを時間帯別年間平均視聴率で重み付けしてテレビの露出量を集計、レポートしています。年間でのランキングは以下の通りです。集計対象は、公開12週前から公開週までの間の露出です。

ランク 作品名 CM露出量
1 アベンジャーズ 6440
2 リアル・スティール 4519
3 プロメテウス 4473
4 アメイジング・スパイダーマン 4391
5 メリダとおそろしの森 4041
6 スノーホワイト 3587
7 メン・イン・ブラック3 3493
8 戦火の馬 3185
9 ジョン・カーター 3168
10 バトルシップ 3005

「日本よ、これが映画だ」のコピーが印象深かった「アベンジャーズ」が圧倒的に一位。アメコミヒーローものは難しいともいわれる中、36億の興行収入を記録。その他の作品の顔ぶれはいずれもハリウッド大作。また、「プロメテウス」(20世紀フォックス)、「アメイジング・スパイダーマン」(ソニー・ピクチャーズ)をのぞくとテレビ露出量トップ10作品の配給会社はディスニーと東宝東和であることも印象的です。

公開までのテレビ番組内露出量

テレビCMと同じ手法でテレビでの番組内の露出量(キャストが出演しているときは映画に関する箇所のみを集計対象としています)を集計しランキングにしたものが下記。こちらも、集計対象は、公開12週前から公開週までの間の露出です。

ランク 作品名 番組内露出量
1 アウトレイジ ビヨンド 11047
2 映画 怪物くん 10536
3 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 8800
4 のぼうの城 7739
5 ガール 7606
6 源氏物語 千年の謎 7086
7 アーティスト 6825
8 ALWAYS 三丁目の夕日‘64 6804
9 映画 ホタルノヒカリ 6709
10 LOVE まさお君が行く! 6364

代わってこちらはほとんど邦画です。人気キャストがトーク番組などにたくさん出演し、テレビで露出を稼ぐ。といっても出資している局での露出が大半を占めることが通常ですが、突出した露出量となった「アウトレイジ ビヨンド」は局を横断した露出であったことが特徴です。
洋画上位は、7位にアカデミー作品賞などを獲得した「アーティスト」が入っていますが、12位にはメリル・ストリープが来日し、「徹子の部屋」に二日連続で出演した「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、14位にトム・クルーズが来日した「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコール」が続きます。
◆ ◆ ◆
弊社では毎週実施するインターネットアンケートで、過去一週間以内に劇場で映画を見た方に、「どの作品の予告編を見たのか」を調査しています。映画鑑賞者人口(映画を過去一年間に一本以上みた人)内で「その予告編を劇場で見た」と答えた割合を「到達率」とし、公開12週間前から公開前日までの間の数値を累積のトップ10が以下の通りです。

劇場での予告編到達度トップ10

ランク 作品数 累計到達度
1 ALWAYS 三丁目の夕日‘64 50.4
2 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 47.0
3 るろうに剣心 42.1
4 はやぶさ 遥かなる帰還 36.1
5 アメイジング・スパイダーマン 35.7
6 映画 怪物くん 35.6
7 ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 33.3
8 宇宙兄弟 32.7
9 のぼうの城 32.0
10 源氏物語 千年の謎 30.0

接触時に記憶定着度の高い人気原作ものやシリーズもの、続編の数値が高くなりがちではありますが、各配給会社の勝負作がずらりという趣です。劇場予告の到達度が高い作品はヘビー層の意欲も高めになる傾向もあります。
なお、作品ごとの予告編到達度の累計を配給会社ごとに整理すると、年間興行収入ランキングとほぼ同じ順位になります。予告編がかかっているからヒットするのか、ヒットする作品にはきちんと予告編がついているのか、あるいはほかの要因が効いているのか。認知度とテレビ露出とあわせてこのあたりのメカニズムもより深堀りしていきたいと思います。
(4)ネットでの話題度(ネットニュース・ブログ・検索数)
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(1)年間興行収入ランキングを読み返す
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