異例づくめの「アナ雪」の、レンタル・セルの意欲は?


 歴代興行収入第3位となった『アナと雪の女王』は異例づくめだが、その一つとして、通常のウィンドウ戦略では劇場公開終了から数か月以上たってからDVD・ブルーレイが発売するという流れにのっとらなかったことが挙げられる。

 「アナ雪」では全国規模での劇場公開中に、DVD・ブルーレイのレンタル・セルや配信でのコンテンツ提供が発表され、また配信はすでに開始されている。

 こうした中、弊社では劇場鑑賞の意欲率とDVDレンタル等での鑑賞意欲率を通常よりも長くインターネットアンケートでモニタリングしてきた。それらを時系列に一枚にまとめたのが下記のグラフである。

横軸は、劇場公開した週の土曜日を起点に、何週目かを示している。縦軸は、それぞれのウィンドウでの鑑賞意欲度をパーセンテージで示している。「(劇場で)鑑賞した」および「(劇場で)鑑賞した+鑑賞意欲」の分母は過去一年間に映画館で映画を見たと回答した人である。それ以外は過去一年間に、映画館、DVD・ブルーレイレンタル、セルのいずれかの方法で一本以上観たと回答した人を分母としている。データは毎週実施の2,000~3,000サンプル程度回収のインターネットアンケートの結果を集計したものである。

劇場鑑賞の意欲率とDVDレンタル等での鑑賞意欲率

(レンタル・セル、配信での鑑賞意欲率は公開5~8週目のデータを取得していないので、4週目と9週目の数値をならす形で推移を推定)

 こうしてみると、劇場公開で大ヒットスタートを切って市場に浸透している勢いは、レンタル・セルの意欲率よりも勢いがよかった。レンタル・セル開始日の発表後はやや衰えながらも右肩上がりである。

 一方で、興行市場での動員数が伸びるのと比例するように、レンタル・セルの意欲も高まり続け、そのレベルがキープされている。

 ほとんど前例がなかった「アナ雪」での展開の仕方は、今後増えるのか。どんな作品であれば鑑賞者の数、あるいは利益を最大化できるのか。「あれは10年に一本の特別な作品」ととらえる向きもあるだろうが、生活者のメディア接触のトレンドやコンテンツ鑑賞の在り方が変わる中、映画宣伝の新しい方法の模索において、今回の「アナ雪」のデータは見逃せない参照ポイントになるであろう。

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