「アナ雪」劇場鑑賞者はセル購入する?レンタルする?

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先週に引き続き、これまであまり前例のない展開となった『アナと雪の女王』の劇場鑑賞者とDVD・ブルーレイのレンタル、セル鑑賞意向者について整理した。今回は、それぞれの重なりについて掘り下げる。
以下の図は、劇場鑑賞者とDVD・ブルーレイのレンタル、セル鑑賞意向者の重なりを整理したもので、いずれも(方法問わず)映画鑑賞者人口を100%としたときの割合を示している。データ取得方法は2014年7月12日実施のインターネット調査で、サンプル数は2,756。

劇場鑑賞者とレンタル意欲、セル意欲

「劇場で見た」と回答した割合は12.7%、DVD・ブルーレイのレンタル意向者は14.6%、セル購入意向者は5.8%である。
なお、そもそも『アナと雪の女王』というタイトルを「知らない」と答える人は4.2%のみで、これは驚異的な浸透度合である。また、この3つで比較するとレンタル意向者の割合が高いが、最も高い割合で選ばれた視聴方法は地上波テレビ放送で、映画鑑賞者(方法問わず、一年に一本以上映画を見る人)の中で32.3%の割合であった。
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それぞれの円を100%としたときの関係を整理したものは以下のとおりである。
たとえば「劇場で見た」と答えた人を100%したとき、そのうち、セル購入あるいはレンタル意向の有無ごとに割合を示している。

スライド1

スライド2

スライド3

こうして比較すると以下のことが言える。
■劇場鑑賞者
レンタル意向を持つ人よりもセル購入意向をする人の割合の方が高い。
■レンタル意向者
劇場鑑賞経験がある、あるいは、セル購入意向者との重なりが小さい。
■セル購入意向者
劇場鑑賞者の割合が高いかというとそうでもなく、セル購入意向者の中では、劇場では観てないけれど、セルを買うという人の割合が7割存在する。「アナ雪」は「映画館で観た人の中のコアファンがDVDを買う」わけではないことが伺える。
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「劇場公開中にセル発売・レンタル・配信開始」という異例の展開の中でいずれのウインドウも大ヒットした「アナ雪」。上記の構造はファミリーターゲットであることやその他「アナ雪」のもつ要素を反映した結果だが、今後の指標となるであろう。

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