監督ファン層に訴求(毎日新聞夕刊映画欄から転載)

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(この記事は2014年11月28日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載されたものです)

映画『インターステラー』

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【週末興行成績(22、23日)】
1.(ー)インターステラー(1週目)
2.(ー)MIRACLE デビクロくんの恋と魔法(1週目)
3.(1)神さまの言うとおり(2週目)
4.(2)紙の月(2週目)
5.(ー)西遊記~はじまりのはじまり~(1週目)
6.(ー)劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~(1週目)
7.(3)美女と野獣(4週目)
8.(4)クローバー(4週目)
9.(ー)想いのこし(1週目)
10.(5)トワイライト ささらさや(3週目)

(右の数字は前週順位。興行通信社調べ)

1位はクリストファー・ノーラン監督のSFドラマ「インターステラー」。土日2日間で動員13万7590人、興行収入は1億9000万円を超えた。レオナルド・ディカプリオと渡辺謙を迎えた「インセプション」やクリスチャン・ベール主演の「ダークナイト」シリーズで知られ、「その作品であれば見に行きたい」と考える映画好きが多い監督の1人。
「インターステラー」は上記の作品と比べて認知度は上がらなかったものの、鑑賞頻度が高く本作を知っている人の中での意欲度は、これまでのノーラン監督作品同様、高めとなっている。映画好きや監督ファン層に強く訴求している様子がうかがえる。
年末年始の休み期間は、興行に弾みがつくシーズン。昨年、年の瀬に公開された「ゼロ・グラビティ」は映像の迫力が話題となり、最終興収が、公開週末土日比10倍の31.7億円まで伸びた。本作も近未来の地球と宇宙空間に加えて「5次元世界」の斬新な映像やドラマの評価は高く、ふだんは劇場にまで行かない人の意欲をかき立てそう。また理論物理学者キップ・ソーンが科学コンサルタント兼製作総指揮を務めて世界観を裏付けし、映画好き以外の層にも訴える。
興味層が広がり、腰の強い興行となることに期待がかかる。

(梅津文・GEM Partners代表)=毎月最終金曜日掲載

◆掲載元◆
毎日新聞: シネマの週末・データで読解 「監督ファン層に訴求」 (毎日新聞2014年11月28日 東京夕刊)

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