続編でファン層拡大(毎日新聞夕刊映画欄から転載)

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(この記事は2015年4月24日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載されたものです)
【シネマの週末・データで読解:週末興行成績(18、19日)】毎日新聞 2015年04月24日
1. (ー) 劇場版 ドラゴンボールZ 復活の「F」(1週目)
2. (ー) 名探偵コナン 業火の向日葵(1週目)
3. (ー) ワイルド・スピード SKY MISSION(1週目)
4. (ー) 映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語−サボテン大襲撃−(1週目)
5. (2) 映画 暗殺教室(5週目)
6. (1) ソロモンの偽証後篇・裁判(2週目)
7. (4) エイプリルフールズ(3週目)
8. (3) 映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(7週目)
9. (6) バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2週目)
10. (8) ストロボ・エッジ(6週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ

『ワイルド・スピード SKY MISSION』

(C)2014 Universal Pictures

シリーズの続編が4位までを占め、いずれも前作を上回るスタートを切った。続編が前作を超えるのは容易ではない。また、同じコンテンツを作り続ければ、製作者側にもさまざまなことが起こる。
「ワイルド・スピードSKY MISSION」にも、大きなドラマがあった。シリーズ7作目だが、撮影中に主要キャストのポール・ウォーカーが事故で亡くなった。製作を続行するかどうかを含めて多くの議論がなされたと、関係者がインタビューで語っている。結果的にはアメリカを含めて大ヒット。世界興行収入は10億ドルを超え、配給のユニバーサルにとって最高記録となった。
本作の成功については、多民族国家アメリカで多様なバックグラウンドの人気俳優をキャスティングしたことが功を奏しているとの見方もある。しかし、べースにある物語や登場人物、そして映像の魅力が増していることもあるだろう。
日本でも1作目が2001年に公開されて以降、ほぼ毎回前作比150%の最終興収を上げており、ファン層の拡大がうかがえる。13年の6作目「EURO MISSION」は20億円を突破した。
男性層中心で、首都圏以外の地域でも鑑賞意欲が高いのが特徴。今週末も期待の高い作品の公開が続く中、本作も引き続き劇場を沸かせることに期待がかかる。

(梅津文・GEM Partners代表)=毎月最終金曜日掲載

◆掲載元◆
毎日新聞: シネマの週末・データで読解 「続編でファン層拡大」 (毎日新聞2015年4月24日 東京夕刊)

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