鑑賞意欲度高い「僕だけ」

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(この記事は2016年3月25日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載されたものです)
【シネマの週末・データで読解:週末興行成績(19、20日)】毎日新聞 2016年3月25日

1. (1) 映画ドラえもん新・のび太の日本誕生
(3週目)
2. (ー) 僕だけがいない街
(1週目)
3. (2) アーロと少年
(2週目)
4. (ー) ちはやふる-上の句-
(1週目)
5. (3) エヴェレスト 神々の山嶺
(2週目)
6. (ー) 映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!
(1週目)
7. (4) 家族はつらいよ
(2週目)
8. (5) 黒崎くんの言いなりになんてならない
(4週目)
9. (ー) 天使にアイム・ファイン
(1週目)
10.(6) オデッセイ
(7週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ

鑑賞意欲度高い「僕だけ」

(C)2016 映画「僕だけがいない街」製作委員会

(C)2016 映画「僕だけがいない街」製作委員会

10~20代男女を中心に人気を集める漫画の映画化作品が2本、公開された。2位登場の藤原竜也、有村架純共演の「僕だけがいない街」と、4位に食い込んだ広瀬すず主演の「ちはやふる-上の句-」。「僕だけ」は週末土日2日間の興行収入が2.2億円。一方の「ちはやふる」は、同1.8億円。両作品を市場データで比較してみよう。
「僕だけ」の作品の認知度は54%、鑑賞意欲度3.5%だ。「ちはやふる」は認知度は63%と「僕だけ」を上回ったものの、意欲度2.5%はやや劣る。
両作品とも10~20代男女の意欲度が高いのは共通だが、「僕だけ」の方が高い年齢層の女性にも広がっている。また、それぞれの作品の鑑賞意向を持つ人が「一番見たい映画」にその作品を挙げる割合も、「僕だけ」が37%に対して、「ちはやふる」の場合は23%で、見たいという人の意欲度も「僕だけ」の方が高い。映画鑑賞頻度の高い人、能動的に情報収集する人、映画に関して積極的に発信する人の意欲度の高さが差となっている。
こうして見ると、「僕だけ」は「ちはやふる」より広い層に訴え、また、より前のめりな観客の意欲を喚起していた。ただ「ちはやふる」は、2部作の連続公開。今回の「上の句」は前編で、4月29日に後編にあたる「下の句」が公開される。この後また来る話題性の喚起における展開にも注目である。
(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

◆掲載元◆
毎日新聞: シネマの週末・データで読解 「鑑賞意欲度高い「僕だけ」」 (毎日新聞2016年3月25日 東京夕刊)

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