映画市場のトレンドはどう変わっているのか【GEM映画白書2014年】

Pocket

先日「GEM映画白書2014年のお知らせ:映画「総」興行収入を増やすために」で記載したとおり、弊社では、映画市場の長期的な視点でのトレンド把握をするための定点調査レポートを「GEM映画白書2014」としてまとめています。

ここでは、そもそも長期にわたるトレンドはこれまでどう変わっているのか、今回の調査を実施する準備として映連統計やレジャー白書の数値を使って行った分析を紹介します。

◆◆◆

そもそも映画館の入場者数は、1987年から2012年の間、年平均成長率は0.03%とほぼ横ばいです。

白書1-1

一方、「過去一年間に映画館で映画を見た」という「映画鑑賞 参加率」は同期間で入場者数よりも少し高い割合で微増しています。女性の方が参加率が高めですが、動きのトレンドは男女であまり違いはないようです。(2009年に数字が大きく上がっていますが、この年から「レジャー白書」はインターネット調査に切り替えています。)

白書1-2

しかし、年代別に参加率の推移をみると、ダイナミックな動きがあるようです。男性は青、女性は赤の折れ線グラフです。色の濃い方が男女とも若い年代で、薄くなればなるほど年代が上です。60代以上はグレーです。

20~25年前は圧倒的に若い人の方が参加率が高いのですが、10代、20代が下降気味、横ばいになっている中、50代、60代以上の人の参加率が大きく伸びていて、いまや年代別の参加率の差は小さくなっています。

白書2
白書3

日本は少子化・高齢化が進んでいますが、上記の参加率の動きと人口構造の変化を掛け合わせて、「映画鑑賞参加者」の年代別構成比を推定するとどのような図になるか、それを示したのが下記の図です。

白書4

こうしてみるとよりダイナミックに、年代別の構成が入れ替わっています。80年代、90年代は60代以上の方はほとんど映画館にはいかなかった。しかし、いまでは10代から60代までほぼ同数の人が映画館にいっています。

弊社にも毎週トラッキングしているデータがあり、こういったトレンドをとらえるデータはあります。しかし、「GEM映画白書」では、その変化の構造の裏側にあるものに関して調査をすることで、5年、10年の大きなトレンドの変化をとらえ、映画ビジネスがもたらす価値の増大に貢献することを目指しています。

(GEM映画白書2014の概要についてお知りになりたい方はこちらからお問い合わせ件名を「映画白書概要資料請求」として、フォームご記入の上、送信してください)。

関連記事