『アナと雪の女王』の勢いが止まらない。これだけの大きな興行収入を稼ぐということは、作品単体の成功にとどまらず、「久しぶりに映画館にいく」という人が多数出る、つまり映画参加者人口自体の拡大ということも意味する。
例えば、「2012年は映画館で映画を見ていないが、2013年は見た」と答えた人が見た作品として、もっともあげられる割合が高かったのは『風立ちぬ』であった(2013年12月27日実施インターネットアンケートより)。これに『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』『レ・ミゼラブル』『モンスターズ・ユニバーシティ』が続いた。
年に一本以上映画を見る人=映画鑑賞者人口と捉えた時、「2012年は映画館で映画を見たけど、2013年は見なかった」人も存在する中で、これらの作品は鑑賞者人口の裾野を広げ、映画鑑賞参加率や、のべ動員数の下支えにも大きく貢献したことになる。
『アナと雪の女王』も興行成績から同様の効果を市場にもたらすはずであり、このことは「ライト層」が鑑賞意欲者を占める割合がどんどん高くなっていることからも伺える。
以下の図は『アナと雪の女王』につき、鑑賞意欲者層の年間鑑賞本数別の構成比の、公開12週前から公開4週後までの推移(①)と、映画鑑賞者人口構成比(②)と300スクリーン以上の洋画の公開週の意欲層の構成比の平均(③)を比べたものである。
公開4週後の時点で、映画鑑賞者人口構成比にかなり近くなっている。このライト層の割合は、過去の作品と比べても高めである。(近い数値のものとして公開3週後の『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』、4週後の『ハリーポッターと死の秘宝(PART2)』、4週目の『アバター』(7週目)など。)
すでに映画を超えた存在となっているともいえる『アナと雪の女王』によって、映画鑑賞者人口の裾野が広がっている様子がデータからも伺える。
◆関連コラム◆ 「アナ」快進撃 (毎日新聞夕刊映画欄から転載)
公開までの宣伝展開と意欲度の伸びについて分析したもの 『アナと雪の女王』が到達した山頂