単館・ミニシアター映画鑑賞世代は?

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先週のコラムでは、過去一年以内に映画館で「単館・ミニシアター映画を見た」と答える人はどの程度いるのか、全国一斉公開映画などと比較しながら整理した。

では、そういった「単館・ミニシアター映画鑑賞者」はどのような属性なのだろうか。前回同様、2013年12月27日に実施したインターネットアンケートのデータをもとに整理した。(アンケートの対象は全国に住む15歳から69歳男女)

以下の図は、過去1年間に1本以上映画館で映画を観たと答えた人(映画鑑賞者人口)の中で、過去1年間に「劇場で観たもの」として回答したものの性年代別構成比である。

 

【図】各コンテンツタイプごとの性年代構成比
【図1】各コンテンツタイプごとの性年代構成比

この図から、15歳から69歳の単館・ミニシアター鑑賞者の中で、女性50代が占める割合がもっとも高いことがわかる。ただしこれは、延べ鑑賞本数ベースではなく人数ベースでの構成比であるので、実際の観客動員における構成比とは異なるが、この層が単館・ミニシアター映画鑑賞層のボリュームゾーンであろう。それ以外の年代層のボリュームはそう変わらず、あまり年代によって偏りがあるわけではない。

シネマライズ等の「単館アート系映画館」が開業し、小規模公開映画が小規模配給会社によって数多く公開された「ミニシアターブーム」は1980年代、いまから30年ほど前のこと。ちょうどこのボリュームゾーンの女性50代が20代だった時代である。「単館・ミニシアター映画」という言葉にも親しみがあるのであろう。女性50代はミニシアター「年代」なのではなく、現在の女性50代がミニシアター「世代」なのかもしれない。

次回は作品別にデータ整理をします。

◆あわせてご覧ください◆
単館・ミニシアター映画鑑賞者の規模はどれくらい?

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