若者の支持得た上位

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(この記事は2015年5月29日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載されたものです)
【シネマの週末・データで読解:週末興行成績(23、24日)】毎日新聞 2015年05月29日
1. (1) シンデレラ(5週目)
2. (ー) イニシエーション・ラブ(1週目)
3. (2) 映画 ビリギャル(4週目)
4. (ー) メイズ・ランナー(1週目)
5. (3) 駆込み女と駆出し男(2週目)
6. (4) 名探偵コナン 業火の向日葵(ひまわり)(6週目)
7. (5) 映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語−サボテン大襲撃−(6週目)
8. (ー) チャッピー(1週目)
9. (7) 脳内ポイズンベリー(3週目)
10. (6) ワイルド・スピード SKY MISSION(6週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ

(C)2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会

(C)2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会

先週末の興行は、若い人が動員に占める割合が高かったとみられる。全国の男女15〜69歳に向けた映画の浸透度・意欲度調査によれば、興行成績の上位4作品は、鑑賞意欲層に占める15〜29歳男女割合が40〜60%と高めだった。
現代風時代劇の「駆込み女と駆出し男」こそ15〜29歳の割合は25%とさほど目立たないが、公開5週連続1位のディズニー「シンデレラ」や、松田翔太、前田敦子主演の「イニシエーション・ラブ」、興行収入20億円を超える勢いの「ビリギャル」は、10〜20代女性が中心。昨年の「アナと雪の女王」など、アニメ映画のヒット作が増えたことなどから、10〜20代で1年に1本以上映画館で映画を見る人が増えている傾向を反映しているようだ。特に女性15〜29歳において顕著である。
米ハリウッド洋画娯楽作「メイズ・ランナー」では、同年代の男性が占める割合が高かった。これは興味深い。昨年は、洋画実写作品を映画館で見た人の割合は50〜60代が高く、年齢が下がるほど低かったのだ。サバイバル・サスペンス要素が訴求したとみられる。
映画はきっかけがあると、繰り返し見に行き始める習慣性のある娯楽。夏は大作公開が目白押し。興行も“盛夏”となるよう市場に熱がたまっていくことを期待したい。

(梅津文・GEM Partners代表)=毎月最終金曜日掲載

◆掲載元◆
毎日新聞: シネマの週末・データで読解 「若者の支持得た上位」 (毎日新聞2015年5月29日 東京夕刊)

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