書き入れ時の夏が終わった。
今年は2010年や昨年の動員は下回ったが、2011年および2012年並み、あるいはそれを上回る興行となった模様である。では、映画宣伝活動に関して特筆すべきことはあるか。特に大きな柱であるテレビの露出量という観点ではどうだったのか、検証したい。
まず、テレビの番組内露出につき、以下のとおり、各年の7月・8月のテレビ露出総量を整理したものである。
なお、「露出量」の集計方法はNHK及びキー局での映画関連の番組内露出それぞれにつき、放送時間の長さ15秒を一単位とし、時間帯別年間平均視聴率(各局の年間平均視聴率を考慮して重みづけした)を乗じて集計したもの。
邦画の番組内露出は過去2年横ばいの推移
2014年の総量は2010年対比約60%まで落ち込んでいるが、過去2年間と変わらない露出量であった。近年の邦画の夏の番組内露出量は2010年から2012年まで大きく減少しているが、その後、横ばいとなっている。
2014年7月・8月中の邦画の番組内露出量を作品別に集計すると、トップ3は『思い出のマーニー』『ホットロード』『るろうに剣心 京都大火編』である。『思い出のマーニー』は昨年の同じ時期のジブリによる『風立ちぬ』と比べるとだいぶ少ない量だったが、それを補うがごとく、『ホットロード』が『思い出のマーニー』とほぼ変わらない量の番組内露出があった。
洋画も減少傾向を示す
一方の洋画においては、2010年以降、2013年に少し盛り返したのを除けば減少傾向が続いている。2014年は2010年比で約50%となっている。
洋画トップ3は『GODZILLA ゴジラ』『トランスフォーマー/ロストエイジ』『マレフィセント』であった。
なお、相対的に番組内露出量が多かった昨年のトップ3は『ローン・レンジャー』『モンスターズ・ユニバーシティ』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』という顔ぶれである。これ以外にも大量の番組内露出があった作品が並んでいる。
次回はテレビCMについて整理する。
◆あわせてご覧ください◆
夏の映画関連テレビ露出を振り返る(2)